山形と言えば米どころ、サクランボ、米沢牛、蔵王連峰、温泉を思いつきますが、ワイナリーもいくつも存在していて良質にこだわるワイナリーが、ここタケダワイナリーだ。

私も以前に訪問したことのあるタケダワイナリーですが、5代目ご当主の岸平典子氏（旧姓:武田）の作るワインのポリシーは、「良いワインは良いブドウから」がモットーに海外産はもとより、県外の葡萄も一切使わない純潔崇高なワイナリー。このワインも山形県産のみの葡萄マスカットベーリAを使用。

山形のマスカットベーリAは、私見ではありますが外観が明らかに他県のものとは違い果皮が厚く、ワインの味わいに凝縮感が生まれています。

今回ご紹介のワインは樽熟成をしていて複雑性をもたらせているだけでなく、これからの季節にぴったりの煮込み系料理に合うワインだ。地元消費も多いと伺っているが、タケダワイナリーのいぶし銀な崇高さはワインマニアを唸らせる品質に仕上がっている素晴らしいものだ。観光ワイナリーを目指さず、テイスティングルームもプレハブ小屋のような簡易的なものだが、説明はかなりしっかりしてくださる。そして何よりも味わいに説得力のあるものばかりだ。中身で勝負といわんばかりに、わかる人に届けたい、そんな想いが強く、人に媚びない姿勢すら感じる。なぜ東京で流行らないのか？見落としがちなスーパーワイナリーだと思う。かみのやま温泉からも近く周辺ワイナリーと一緒に廻ることをオススメしたい。