ドメーヌオヤマダ


Domaine Oyamada Seba
洗馬 カベルネフラン主体 

『フランを中心にヴィニフェラ系の混植混醸。』

 ドメーヌ・オヤマダのフラッグシップ。洗馬の畑単一のキュヴェ。様々なヴィニフェラの混植混醸。 2014 年は醸造まで小山田氏が手掛けた最初の年(前年まで四恩醸造に委託醸造)。 2013 年の凍害のダメージがまだ残っており収量は例年より少ないが、夏が涼しかったおかげで、見た目も美し く、酸の残った良いブドウが収穫できた。基本的には除梗破砕のスタイルだが、ガメイ,バルベラ,ムールヴェー ドルなどを全房で入れて、香りと味わいにアクセントを与えている。

洗馬(せば):長野県塩尻市洗馬。垣根仕立て。標高 700 m。小山田氏が唯一山梨以外で所有する畑。 土壌は粘土質だが、昔に川が氾濫した際に運ばれた小石や礫が土壌中に混ざっているため水はけが良い。冬がすこぶる厳しく、気温は頻繁に-15℃以下まで下がる。さらに、春に一度暖かくなってから気温の低下と共に大雪が降る ことがしばしばあり、そうすると萌芽間近で耐寒性の低くなっているブドウは、対策として藁を撒いていたとしても 大ダメージを受けてしまう。この土地で最も難しいことは、スムーズに萌芽を迎えること。無事に春を乗り越えるこ とができれば、果樹を栽培するためにはとても恵まれた気候なので、適切な管理さえすれば良いブドウが収穫でき る。

6900


Domaine Oyamada Bow aka
BOW赤 カベルネフラン主体、MBAなど

『やるべきことは、全てやった。まとまりのあるワインだ。』

 2016 年は赤品種にとっては難しかった年。今年は新たに、本来単独でワインに仕上げる予定であった日向のヴ ィニフェラ品種が格下げされて BOW!赤にアッサンブラージュされている。前回入っていた巨峰は鹿に食べられ全 滅したため今回は入っていない。「やれることはすべてやった」と言うほど、小山田氏の経験と技術を詰め込んで、 まとまりのあるワインに仕上げている。 中心となる萱刈のカベルネ・フランと上神内川のマスカット・ベーリーAを除梗破砕、今年新たに少量入ってい る日向と大久保の、ムールヴェードルを中心としたヴィニフェラ品種をマセラシオン・カルボニックで仕込み、ア ッサンブラージュ。

萱刈(かやかり):山梨市西字南萱刈。
         カベルネ・フランでは珍しい棚仕立て。
上神内川(かみかのがわ):山梨市上神内川東原。品種はMBA。棚仕立て。
日向(ひなた):山梨市江曽原日向。垣根仕立て。
        南系のヴィニフェラの混植。南向きの斜面。
大久保(おおくぼ):山梨市東大久保。棚仕立て。
          品種はプチマンサン、ムールヴェードル。
          短梢剪定。谷沿いの南斜面。

5500


ドメーヌオヤマダ
醸造家:小山田幸紀
山梨:甲州市勝沼町中原

『ここにも宇助氏の影響を受けた者が!ルミエールの元醸造責任者が独立したワイナリー』

【 小山田幸紀氏 】
 小山田幸紀氏は福島県郡山市の出身で、中央大学の文学部ドイツ文学科卒という経歴ながら、在学中の麻井宇 介氏との出会いをきかっけとしてワイン造りの世界に飛び込むことを決めた。16 年間山梨県笛吹市のルミエー ルに勤務し、栽培・醸造責任者を務めた。現在は退社し、約 3 haの畑を管理し 2014 年に初のドメーヌ・オヤ マダとしての仕込みを行う。 ルミエールに勤める傍ら、自分の畑の管理を始め、収穫したブドウはルミエールや四恩醸造に売却をしていた。 勤めながらの畑管理の労力は計り知れない。休みはほぼ正月三が日のみという根っからの仕事人間である。人生で影響をうけたものは、思春期は尾崎豊と村上春樹、そして太宰治はじめ明治から昭和の日本文学。趣味 は飲酒。モットーは農民芸術の振興。ブドウ作りをワインという芸術で表現するには「ブドウのポテンシャルを 追求し、いたずらにワインを汚さないこと」が重要だと言う。

【葡萄とテロワール】
自らの探求する農法により、棚栽培で既存の甲州種やデラウエア、マスカット・ベーリーA の品質と付加価値 向上に努めるとともに山梨の土壌に合い、病気に強く、かつ収量が比較的多い希少品種も導入予定。 具体的には棚栽培において、白系のプチマンサン、アルバリーニョ、垣根栽培において白系のシュナンブラン、 ロモランタン、赤系のムールヴェードル、タナ、シラー等。希少品種は知名度が低く、商品価値が低いとされる こともあるが、ワインの商品名はすべてブドウ生産の畑名とし、各々の畑に適した品種を植栽していく適地適作 の概念を実行していく。その上で、日本ではまだ確立されていないワインのテロワール表現を訴求していく。

【醸造 】
自家農園葡萄を原料にし、培養酵母や酵素、発酵助剤等の使用を一切行わず、葡萄に付着した自然酵母によ り発酵を行う。また、製品の品質保全のために不可欠とされる亜硫酸は必要最低限の使用とし、極めて天候が 不良な年を除きアルコール分上昇を意図した糖分の添加を行わない。 スパークリングワインにおいても、酵母の添加は行っていない。


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